骨の成長
今回は骨の成長と、それにかかわるバレエ動作で発生しやすい障害とその対策についてご紹介します。
骨の成長
骨端骨(こったんこつ)と骨幹の間にある骨端線(こったんせん)という軟骨細胞が集まる部分にカルシウムがたまり、硬い骨が生成します。成長ホルモンの作用により、この軟骨細胞が増殖します。しかし、20歳ぐらいに骨端線の軟骨が全て硬い骨になり、その後、加齢に伴って骨は徐々にもろくなっていきます。骨をもろくなることを防ぐためにも20歳までに丈夫な骨を作っておくことが重要です。
骨を成長させるには
運動が大きな役割をします。適度な運動はカルシウムを沈着させ、骨を強くする作用があるのです。
また、睡眠は成長と密接な関係にあります。他方、22時から翌2時の間は成長ホルモンの分泌が最も盛んな時間帯です。夜更かしをすると骨が成長するチャンスを逃がしてしまいます。睡眠前にカルシウムを取ることもお勧めします。
骨端線にかかわるケガ
次に、骨端線にかかわるバレエの動作で発生しやすい障害を1つご紹介します。
オスグッド・シュラッター病
これは、成長期の膝痛の原因としてよくあるスポーツ障害です。ランニングやジャンプ、キック動作で膝の屈曲や伸展の多いスポーツに発生しやすいです。また、急に身長が伸び始めた時に発症しやすいです。
脛骨粗面(膝の下あたりの軟骨、おとなは骨)に痛みを感じます。繰り返し膝を伸展させると、この脛骨粗面の骨端線の軟骨の一部が剥離し痛みがでるのです。
痛くなったら、大腿四頭筋(太ももの前側)のストレッチをします。再発防止のためにもウォーミングアップやクールダウンのストレッチを徹底的にしたいところです。成長が止まると痛みが落ち着くこともあります。
成長しているから痛む成長痛ではなく、運動量や身体の柔軟性や使い方が原因となるスポーツ障害であることを頭に置きながら、レッスンでは注意して教えていきたいと思います。